東北地方を代表する名峰「鳥海山」は、日本海から直ぐに立ち上がっており海の水蒸気が偏西風により吹き付けられるせいで、局地的な降水量が世界有数と言われています。
そのおかげで鳥海山の麓町である山形県遊佐町は、町内のいたるところで美しい湧水群を見ることができ、「水の郷百選」(国土交通省)に認定されています
そんな遊佐町の数ある湧水群の中でも異彩を放っているのが、釜磯(かまいそ)海岸の湧き水です。
夏は海水浴場として賑わう釜磯海水浴場ですが、砂浜のいたるところから真水がポコポコと湧いているのです。砂浜だけではなく、海中からもたくさんの湧き水がわいています。
実際に海中で泳いでいると、海水が暖かい場所と冷たい場所があり、冷たい場所の底からは湧き水が湧いていることを実感することができます。湧水のため水温が約10度ほどと低いのです。
湧き水の海水浴場って、凄いと思いません?
岩の両側から湧いています。
砂全体に染みて湧いてくると砂鉄が流れてアートな模様を描きます。
この湧き水は、大凡10~20年前に鳥海山に降った雨や溶けた雪水が地下に浸透し濾過されて湧いてきたものだそうです。
多分、この海岸周辺のいたる所から湧いているものと思われます。その証拠に、海水の透明度が高くとても綺麗です。
この釜磯海岸を含め山形県遊佐沖と秋田県仁賀保沖は、鳥海山の伏流水のおかげで捕れる魚種が豊富で、特に6月~8月には天然の岩牡蠣が捕れることで有名です。
一般的に食べられてる牡蠣は主に「真牡蠣」で養殖すが、ここで捕れるのは全て天然の「岩牡蠣」で、真牡蠣とは全くの別物です。
この天然岩牡蠣は夏にいちばん美味しくなる生ガキ、岩牡蠣ファンが全国から訪れます。
海岸のすぐ背後には羽越本線が通っています。
海水浴シーズンになると、泳ぎに来ている子どもたちから歓声が上がったりします。
湧き水は今も滾滾と湧き尽きることを知りません。
撮影地
山形県遊佐町吹浦
撮影DATE
Nikon Z 6
Nikkor Z 24-70mm f / 4 S
Nikkor Z 70-200mm f / 2.8 S