風の記憶

the answer is blowin' in the wind

蕎麦の花が咲く頃

 

soba_r03_3769

 



庄内地方の主に山間部では、蕎麦の花が咲き始めました。

山形県は日本有数の蕎麦処でもあります。
そば屋の店舗数は長野県に次いで全国で2番目に多く、作付面積では北海道に次いでこれも全国2位となっています。
とはいっても、ここ庄内地方に限れば以前は蕎麦畑を見ることはあまりなかったのですが、最近は山間部の水田を転用した蕎麦畑を多く見かけるようになりました。
美味しい蕎麦は寒暖差があった方が良く、平野部より山間部の方が適しているんでしょうね。



 

soba_r03_3861




soba_r03_3852


 

蕎麦の花は、花の仕組みが植物界では珍しい部類の花だそうです。
普通の花は雄しべ・雌しべが一つの花で受粉しますが、蕎麦の花は雌しべの長い「長柱花」と雌しべの短い「短柱花」という二種があり、長柱花と短柱花の組み合わせでしか実を結べないのだそうです。しかも、同じ株の花では結実せず、違う株同士の長柱花と短柱花が交配して初めて結実するのだそうです。
隣の株、しかも相手を選んでの受粉は虫や風を頼るしかなく、虫が少なく雨が多かった年には実を結ばず散る花も多いとか・・・。
可憐で素朴なその見た目どおりの不器用な一面を持つ花なのです。

 


soba_r03_3809




soba_r03_3872




soba_r03_3889




違う株・違う形の花同士でなければ実を結べない不器用な花、
虫たちが仲立ちしてくれないと繋がれないもどかしい花、
だけどその小さく素朴な花は風に揺れ可憐でとても愛おしく思えます。


蕎麦の花の花言葉は、「懐かしい思い出」「喜びも悲しみも」「あなたを救う」「一生懸命」、そして「幸福」です。
“  哀しいときや辛いときもあったけど、一生懸命に生きてきて花を咲かせる事が出来ました。今は幸せです。”


蕎麦の花はまるで、いつも見守ってくれた人に宛てた手紙のように、秋の澄んだ風に揺れています。