風の記憶

the answer is blowin' in the wind

カタクリ

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冬枯れた落葉広葉樹林の林床に、雪解けを待ちかねたように一斉に芽吹き、頭上の樹々たちが葉を広げてその林床に陽光が届かなくなる初夏には地上部を全て枯らして、地下の根茎や種子で次の季節に向けてひっそりと暮らす早春の短命な植物たちを、スプリング・エフェメラル(Spring Ephemeral)~「春の儚い命」「春の妖精」と呼びます。

スプリング・エフェメラル(春の妖精)には、キクザキイチゲ、イチリンソウ、ニリンソウ、ショウジョウバカマ、アマナ、エンゴグサ等がありますが、やはりなんと言ってもその代表格は「カタクリ」ではないでしょうか。

恥ずかしそうにうつむきながら咲く可憐な花姿は、妖精が羽根を広げて舞い降りてきたようにも見えます。その群生は冬枯れた早春の林床を一面薄紫色に染め上げ、それはそれは見事です。

カタクリは、早春の光を短い期間しか受けられないために、はじめは糸のように細い葉を出し、一年また一年と毎年少しずつコツコツと養分を蓄え、8~10年かけてようやく一輪の花を咲かせるのです。

まるで、長い年月をかけて想いを育み、やっと夢を叶えるように咲く早春の小さな花。

やがて初夏が来て、キビタキやオオルリの鳴き声が山に響く頃、妖精たちは幻のようにその姿を消してしまうのです。



※ご連絡とお詫び※
この「カタクリ」のエントリーですが、操作ミスで誤って記事を削除してしまいました。慌てて復元しようとしましたがうまく出来ずに消失してしまったようなので、再度作成して再エントリーしております。
せっかく皆さんからいただいたコメントやスターなどが一部消えてしまいました。大変申し訳ございませんでした。



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“ 雪解けの 山の斜面を 埋めて咲く カタクリの花 そよぎ止まざり ”
                                                                                  - 鳥海 昭子 -

 


撮影場所
山形県酒田市八幡町
(八森自然公園)

撮影DATE
Nikon  Z 6
NIKKOR Z 70-200mm f / 2.8 VR S
NIKKOR Z 14-30mm f / 4 S 


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