風の記憶

the answer is blowin' in the wind

小さな秋のはじまり_エノコログサ


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畑道のあちらこちらに「エノコログサ」が顔を出し始めました。
「エノコログサ」の名前は、花穂が子犬のしっぽに似て「犬コロ草」と呼ばれたところからきているそうです。
別名は「猫じゃらし」で一般的にはこちらの呼び名の方が有名ですね。

撮影したのは、エノコログサの中でも一番小さい「コツブキンエノコロ」です。
キンエノコロは花穂が小さく、その毛が黄金色で太陽の光を受けてキラキラ輝きとても綺麗です。
コツブキンエノコロは花穂がさらに小さく、キンエノコロのハーフサイズと言ったところでしょうか。
まだ生えたてなのか花穂の毛は金色にはなっていませんでした。



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「エノコログサ」は、例えが犬や猫ということから分かるように、とても身近な植物で日本全国どこでも見ることが
できる平凡な植物です。でも、平凡だから価値が無いかと言われればそんなことはありません。
特別なもの、希少なものにだけ価値があって、平凡なものには無い、という考えはとても単純で浅い考えです。

平凡なものには平凡である故の意味と価値があります。
私たちの暮らしの中にとけ込み、意識しないままに実は人間の心の奥底にひっそりと咲いて私たちの心を支えてくれ
ているのです。
例えば、エノコログサがこの世から消えて無くなってしまったら・・・、それはそれは寂しい風景に違いありません。



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誰しもが子どもの頃にこのエノコログサで友達と遊んだりいたずらしあったり、猫とじゃれあったりしたことがあると思います。
そのときの楽しさや、猫の仕草の可愛らしさに、知らず知らずのうちに癒やされたり、命の優しさや健気さや尊さを感じていたのだと思うのです。
その感覚、ささやかなものに楽しさを見つけたり、他者を愛おしいと思う気持ちは、人として生きてゆくのにとても大切なものだと思うのです。

あなたの優しさは、エノコログサからもらったものかもしれません。



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日射しはまだ強く夏の顔をしていますが、吹いてきた風に微かに褪せた薫りを見たような気がしました。

秋は静かに始まろうとしています。



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撮影DATE
Nikon  Z 6
Nikkor Z MC 105mm f / 2.8 VR S



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